ルパン三世the firstってどんな映画?
この作品は、原作者であるモンキー・パンチ氏の悲願でもあったフル3DCGアニメーションでの作品です。
これまで、お馴染みのアニメ作品や実写化の作品など様々なスタイルの「ルパン三世」作品が公開されてきました。
今回の「ルパン三世」はどんな作品なのか、ご紹介させていただきます。
目次
作品情報
監督 | 山崎貴 |
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公開年 | 2019 |
キャスト | 栗田寛一(ルパン三世)/小林清志(次元大介)/浪川大輔(石川五右衛門)/沢城みゆき(峰不二子)/山寺宏一(銭形警部) |
キャスト | 広瀬すず(レティシア)/ランベール(吉田鋼太郎)ゲラルト(藤原竜也) |
上映時間 | 93分 |
あらすじ
その謎を解き明かした者は巨万の富が得られると言われる「ブレッソンダイアリー」ルパン一世でさえ奪えなかったと言われる秘宝を、ルパン一味とナチス復活を目論む組織が奪い合う。
山崎貴監督
ALWAYS三丁目の夕日 | (2005)監督 |
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SPACE BATTLESHIP ヤマト | (2010)監督・VFX |
永遠の0 | (2013)監督・VFX |
STAND BY ME ドラえもん | (2014)脚本・監督(八木竜一との共同監督) |
ドラゴンクエスト ユア・ストーリー | (2019)脚本・脚本・監督総監督 |
2005年製作の「ALWAYS三丁目の夕日」で日本アカデミー賞監督賞を受賞し、映画監督として確固たる地位を築き、その後も話題作を次々と手がけます。また、「宇宙戦艦ヤマト」の実写化や「ドラえもん」そして今作の「ルパン三世」の3DCGアニメーション化など、国民的アニメを再構築する事も多い監督です。その為、作品の評価が極端に分かれる事が多いです。特に、国民的ゲーム「ドラゴンクエスト」を映画化した「ドラゴンクエストユア・ストーリー」のラストは相当の物議を醸しました。
国民的な作品を多く手掛ける為、昔ながらのファンからの批判は仕方のない事かもしれませんね。
キャスト
この作品のゲスト声優として、レティシア役に広瀬すずさん、ランベール役に吉田鋼太郎さん、ゲラルト役に藤原竜也さんが参加されています。
舞台で活躍されている、吉田鋼太郎さん、藤原竜也さんに比べ、広瀬すずさんの演技が・・・という声をネット上でよく見ます。しかし、観ていて私はそれ程気にはなりませんでした。
予告編で、声だけが流れた時は「ん?」と思いましたが、絵が一緒になると想定内の範囲でした。
最近の劇場版アニメ作品では、本職の声優さんを起用する事は少なく、俳優さんを起用する事は多いことです。その為か、ある程度の違和感は許容範囲になってしまっているような気がします。
カプサ君の激辛(マニア度)指数
カプサ君の数が多いほどマニア向けの作品となっております。
0カプサ君、甘口(子供向き)です。(最高4カプサ君)
不二子ちゃんのお色気も影を潜めており、小さなお子様から安心して観られる作品です。
大人よりも、子供の方がより楽しめる作品だと感じました。
ウサコックのおいしさ(おもしろさ)指数
4ウサコックです。(最高4ウサコック)
あくまで、子供向きの作品として考えた場合の評価です。この作品をどういった角度から見るかで評価は変わると思います。
私は、童心に返って楽しむ事ができた作品でした。
感想と考察(ネタバレあり)
その①
王道中の王道
この作品は、小さな頃に胸が躍った設定が数多く詰め込まれています。かつて「インディ・ジョーンズ」シリーズや、グーニーズなどであったような、財宝までの道のりに仕掛けられた罠の数々や、ナチス復活の為に財宝を狙うネオ・ナチたちとの闘い、銭形警部との共闘、そして最後には世界を救うヒーローになるルパン達。
新しい「ルパン三世」像を見せる挑戦をするのではなく、TV第2シリーズのようなコミカルな「ルパン三世」を3DCGで見せるといった作品になっています。
最近では、どちらかというと大人向けに作られているルパン三世が多かった中、どこか原点戻ったような、小さいときに再放送で見ていた頃のルパン三世が帰ってきたような印象を受けました。
その②
カリオストロの城
ルパン映画を語る上でどうしても避けて通れない道、それが1979年公開の「ルパン三世 カリオストロの城」です。
宮崎駿監督で作られたこの作品は、もはや神格化されたルパン作品です。
ルパン三世の劇場版が公開されると、どうしても「カリオストロの城」と比較されてしまいます。それは劇場版ルパン三世の宿命といえるでしょう。
今回の「ルパン三世 the first」は「カリオストロの城」のオマージュとして、設定を似せてきました。
純粋に面白いルパン作品を作ろうと思ったら、一番おもしろいルパン作品からアイディアをもらうのは当然の事だと思います。
で実際、おもしろい冒険活劇に仕上がっています。
その③
3DCGアニメーションってどうなの?
私は、3DCGアニメーションはすごくよかったと思いました。これまでのアニメ作品でも、作品ごとに絵のタッチが違いましたし、中にはあまり好みでない作画もありました。それを思うと今回のCGは、まったく違和感を感じませんでした。どのキャラクターもアニメよりリアルに描かれていますが、アニメの時よりカッコよくなってますし(特に次元!)、質感もリアルで、髪や皮膚感はもちろんの事、特にルパンの服装のレザー感は、これまでにない新しいルパン像が感じられ、個人的にはとても満足しました。
動きに関しても、まったく違和感もなかったですし、アクションシーンはとても見ごたえがありカッコよかったです。
最後に
この作品を観る前は、山崎監督の前作「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」の一件があった為,それ程期待していませんでした。しかし、いい意味で期待を裏切られた作品でした。
しかし、不満もあります。例えば、ランベールがレティシアを助けるシーンは、ランベールの心情があまり描かれていなかったのでまったく感動しなかったし、ゲラルトも、もっと冷徹さがあってもよかったし、レティシアの恋心はとって付けたように感じたしとか思うところはあります。
また、「カリオストロの城」のパクリだとか、ベタな展開だとか、いう人もいらっしゃると思います。確かに、いろいろな知識を得た大人の目線でこの作品を観たら、つまらなく感じるかもしれません。
しかし、そんな余分な事を考えずに作品に入りこむと、童心に返って冒険活劇をワクワクして観ていた子供の頃の気持ちになれると思います。